いつもコラムを読んでいただき、ありがとうございます。イタリア語講師のNoritaliaです。
短期間に多くの人の方から同じ悩みを聞いた話。
「イタリア語を勉強したのに、イタリアに行った時に全然分からなくて(話せなくて)ショックを受けた」というもの。
原因は2つ。今日はそれを書いてみましょう。
★こちらは文法・リスニング力も鍛え「より実践的に使いたい」と考えている中上級向けのコラムですので、初中級のリスニング方法はレベルに合わせて適切におこなう必要があることをあらかじめ記しておきます。
① 旅行先で"スタンダードなイタリア語の発音"を聞く機会はないのだ
理由は、前回のコラムに書いた通りです。
【読む・書く・聞く・話す】④-2 標準イタリア語(の発音)覚える必要なし。
イタリア映画を見て、イタリアのニュースを見て、イタリア語会話のテレビを見る。
時間をかけて勉強していますし、マイナスにはなりません。実用イタリア語検定のリスニング対策としては有効でしょう(CILSじゃないよ)。
でも。イタリア旅行で「よし!イタリア語でコミュニケーションを取るぞ」と思った時、現地に着いてから「あれ?聞き取れない〜」となります。
残念ですが、なります。すみません。
テレビやラジオ、吹き替えの映画を見てリスニングをしている人は、イタリア現地に行って、愕然とすることになりますよ。
だってそんなテレビで話されているような「スタンダードなイタリア語」を話す人はいないのですから。
イタリアは1948年に成立した共和国で、また74年しか経ってない
イタリア人は、全員生まれた土地、長く住んでいる土地のアクセントを持っています。
ミラノ・ローマ・フィレンツェ・ヴェネチアなど、大都市でもそうです。
ちなみに私はマルケ州が抜けきらないロマーニャ地方のアクセントです。
人々がスタンダードなイタリア語の発音を聞くようになったのは、1960年代、テレビが全世帯に普及しだした頃。
だってもともとバラバラの国だったわけですから。「方言」レベルではなく「言語」として違うんです。今はイタリア語文法は学校で学びますが、まだまだおじいちゃん、おばあちゃんが話す言語は地域によって違いますし、アクセントもかなり変わります。
その家族もしかり。その土地の言語と、学校で習うスタンダードなイタリア語を使い分けている人が多いと思います。
だから、その土地の人同士が話す内容が聞き取りにくいのは当然なのです。
② 覚悟せよ。現地のイタリア語は、ものすごく早い
二つ目の理由です。
テレビなどでリスニングの勉強をした場合だと、1週間ほどの旅行では、スピードに耳を慣らせるのは至難の業です。
旅行者に、ゆっくり話してあげようとしてくれるのは、宿泊するホテルか高級ブティック、あとは田舎のアグリツーリズム、ワイナリーくらいです。
イタリア人はせっかちなので、容赦ないスピードで話しかけられます。
一般のイタリア人は、アナウンサーや俳優のように滑舌がいいわけでもなく、人に向かって話すことに慣れている人ばかりではありません。
ボソボソ話す人や、機嫌の悪い人、話し方に癖のある人もいる。そんな人達が、あなたにだけ笑顔でゆっくりと話してくれるわけがありません。イタリア人もその土地で荒波を生きているわけですから。
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じゃあどうすればいいのか。長くなりますので、それは次のコラムで書いてみたいと思います!
ここまでお読みくださりありがとうございました (^_^)
NORIITALIA