いつもコラムを読んでいただき、ありがとうございます。イタリア語講師のNoritaliaです。
「イタリア語を勉強したのに、イタリアに行った時に全然分からなくて(話せなくて)ショックを受けた」
原因は前回のコラムでご紹介。今日は「じゃあどうすればいいのか」について考えてみましょう。
前回コラム→イタリア語勉強したのに、現地で聞き取れない?理由はコレ。
*こちらは「アウェイの立場でイタリア現地でコミュニケーションを取ること」について書いた中上級者向けのコラムです。
イタリア各地に住む11人のイタリア人に同じフレーズを言ってもらった実験動画
イタリア語の発音について発信されているトリノの方のYoutubeチャンネルをご紹介!私のお気に入りチャンネルです。
テンポが良く、クスッと笑えるキャラのお兄さんが魅力♪
イタリア語が分からなくても、イタリア各地の音の違いが感じられて興味深いです。フレーズの開始時間を記しておきますので、早送りして聞いてみてね。
フレーズ❶(1分37秒〜)
Bisogna accettare la verità, anche se so che a te non piacerà per niente.
フレーズ❷(6分10秒〜)
Ma cos'è che hai detto al tuo amico?
フレーズ❸(8分52秒〜)
Ma perché la tua zia Agnese mi ha chiesto se volevo dello zucchero?
フレーズ❹(12分21秒〜)
Non avevo pensato che anche lei sapeva fare la pastasciutta in casa.
フレーズ❺(14分34秒〜)
Metti il vino nella botte, se no ti do un sacco di botte e non voglio averti sulla coscienza.
8分20秒あたりでは、有声・無声のSやZ、開口母音・閉口母音などが地域によってバラバラだということを説明しています。
例えば、砂糖(Zucchero)の「Z」はスタンダードでは無声(z sorda)で発音しますが、動画の作成者を含む12人全員が有声(z sonora)で発音していることは大変興味深いです。
じゃあどうすればいいのか。それはね、「読む・書く」はスタンダード。「聞く・話す」は現地ファーストってこと。
前回のコラムに書いたように、文法はいわゆる「学校で習うスタンダートなイタリア語」が存在します。文法は基礎ですから勉強しておきましょう。
でも、「聞く・話す」に関しては、スタンダードという概念を捨てることが、イタリア現地でコミュニケーションするスタート地点です。
言語は生きています。
口の断面図とにらめっこして習得できることって、ほんの30%くらいですよ。あとの70%は生きたイタリア語から学ぶのです。
そのためには、プロがマイクの近くで録音した音声を聞いても効果は薄いのです。
特に映画の子役の吹き替えと、実際の子供が話すイタリア語の発音や声の響きって全然違いますよ。
映画の吹き替えをあまり私がオススメしない理由は、ここにあるのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コラムのタイトルの答えは、
「イタリア語を聞き取る・話すヒントは、スタンダードを捨てること」
でした。
日本人として、「イタリア語の発音を整える」と言うこととは。
スタンダードなイタリア語の発音ルールを「学ぶ」と言う足し算ではなく、引き算なんですよ、と言うこと。
引き算?それはまた次のコラムにて。
ここまでお読みくださりありがとうございました (^_^)
NORIITALIA