いつもコラムを読んでいただき、ありがとうございます!イタリア語講師のNoritaliaです。
昨日のコラム内容で、ある生徒さんから質問を受けたのでそちらに答えるコラム。
それは、
"イタリア人だからと言って、全員が「正しい」イタリア語に添削できない"ってどういうことですか?
についてです。多分中上級対象です。
どうぞお付き合いください!
ネイティブなのに作文添削できないってどういうこと?
確かにこれだけ聞くと、おかしいですよね。
でも、今から「なぜか」を説明します。
昨日のコラムはこちらから読めますよ〜。必ずこちらを読んでから今日のコラムを読んでくださいね。
↓
定冠詞と関係代名詞CHE、〇〇〇は必要な時だけ③イタリア語検定応援コラム
もう一度確認しておきたいこと。
このコラムシリーズでは「話し言葉」じゃなくて「書き言葉」について言及しています。
話し言葉、つまりフリートークで「楽しく」お話しするだけで良いのなら「お気に入りのネイティブ♪」一択でしょう。
話し言葉と書き言葉が違いすぎる
短くまとめたいので、ちょっとだけ例を挙げてみます。
例えば、間接目的語代名詞の「彼らに」は、イタリア語でなんというでしょうか。
LOROですよね。
GLIと習いましたか?
確かに本にそうも書いてあります。
強調形で「A LORO」というものもありますが、これを普通の間接目的語代名詞と思って使っている人もいます。
GLIは話し言葉
書き言葉では「LORO」を使うことが推奨されます。
娘の中学校でも「LORO」を教えます。
でもイタリアに住んでいると、話しているときに「LORO」を聞くことは珍しいです。
周りはほとんどGLIを使っていると思います。
イタリア語チャンネルを開設しているイタリア各地のネイティブも、同じことを言っていますので、多分イタリアの広い地域でこの傾向が見られると思います。
また、「彼女に」の「LE」も、ほとんど「LE」を使わず「GLI」を使う人が圧倒的に多いです。
私がこだわって「LE」を使うのが恥ずかしくなるくらい。
チャオ!ブラー。
うちの娘の中学では、子供たちが変な言葉で挨拶しています。
今流行ってるのは、「チャオ!ブラー!」とかいうやつ。
ブラーは英語でBrotherのことらしいです。やれやれ。
日本語検定1級に合格したドイツ人の友人が、日本の市役所で働いていたのですが、私よりも正しく洗練された日本語を話します。
いわゆる「書き言葉」のまま話している感じ。
私も話していて、背筋がピンと伸びる感じです。
多分彼のほうが、私よりも綺麗に日本語を添削すると思います。
「書き言葉」と「話し言葉」の剥離は、自国民だからこそ気づかない
話し言葉と書き言葉。
「PerchéとPoiché」
「Ma(Però)とTuttavia」
それ以外にも色々あります。これらは作文であれば、守った方が良いルールだと思います。
こちらのコラムについて、人によっていろんな意見があると思います。
私の意見。
「直接法までならどのネイティブでもOK」。
「接続法以降のハイレベルな文法や、punteggiatura(日本でいう句読点)などだと、人によるかなぁ」
という感覚です。
この辺りに来ると、語彙の広さよりも、文法をどこまで(真面目に?)勉強したかに左右されるからです。
ここまでお読みくださりありがとうございました (^_^)
NORIITALIA