Buongiorno a tutti! オンラインイタリア語講師のNoritaliaです。
さて、私はイタリア語検定試験対策レッスンを提供していますが、その中のCILSについてお話ししたいと思います。
CILSはCertificato di italiano come lingua stranieraと言い、シエナ外国人大学が行っているイタリア語を母国語としない外国人が受けることのできるイタリア語検定試験です。レベルは初心者のA1から最高レベルのC2までの6レベルです。
日本には実用イタリア語検定というものがあり、日本の検定試験なので日本人には一番馴染みがあります。一方CILSは試験会場が東京か大阪なので、地方に住んでいると受験しずらいです。
【受験料と試験時間】
実用イタリア語検定
5級 4,000円 80分
4級 6,000円 80分
3級 8,000円 100分
準2級 9,000円 120分
2級 12,000円 120分+面接30分
1級 15,000円 120分+面接30分
CILS
A1 15,000円 130分
A2 15,000円 160分
B1 20,000円 235分
B2 23,000円 235分
C1 24,000円 300分
C2 27,000円 325分
CILSは受験費用が結構高いですね・・・。イタリア語検定とかなりの差がありますし、試験時間が長い〜!
試験内容は5つのセクションに分かれていて、それぞれの間に休憩時間があります(15分)。合格しなかったセクションについては、それだけを受験し直すことができます。
5つのセクションは以下のようになっています。
1. 聞き取り(Ascolto)
2. 文法(Lettura)
3. 読解(Analisi strutture comunicazione)
4. 作文(Produzione scritta)
5. 会話(Produzione Orale)
さて、私はCILSに関してはB2とC2を受けた経験があります。イタリア語を使って仕事をしたかったので、C2は取っておくべきだと思ったのです。
どうしてC1を飛ばしたのかというと、一番の理由は費用の問題!!CILSは受けるのも高いですから、どうせ後でC2を受けるなら、C1を受けると合計5万円になるな、と思ったのでやめたのです。もう一つの理由は、2回必死に勉強するのを避けるためです・・・。
CILSのC2は受験勉強が大変です。私個人的には、CILSの最上級はイタリア語検定1級より難しいと思いました。覚える範囲が広くて問題数が多いですし、大人になって仕事も持っていれば、それだけの時間を割くのも難しいですよね。そこで、学生時代にイタリアのアンコーナという街でB2を受験した後、仕事をしながら空き時間はイタリア語の勉強に費やし、C1を飛ばして日本でC2を受験しました。
日本の会場でCILSを受けると面接の採点が甘くなる、という噂を聞いたのですが。
どうもそうではないようですよ。試験官は優しく話を引き出そうとしてくれ、受験生の話す内容は録音されて、イタリアのシエナ本部に送られてから平等に採点がなされるようです。
さて、私がCILS受験のためにやったことは以下のことです!
- 集められるだけの過去問をかき集めて制限時間を守って解く
- 知らない単語は全て調べて覚える
- 文法で不確かなところは全てクリアにする
- 作文はお題を予想して何枚も書いては添削してもらう
- 面接の内容を想定して毎日ブツブツイタリア語で一人スピーチ(←怪しい人)
- リスニングは、わざと雑音の入ったラジオを聞いて耳を鍛える
リスニングに出てくる音声は、AMラジオ番組で社会現象などをテーマに、専門家が電話出演している音声でした。ラジオで聞き取りにくく、さらに電話出演で分かりづらい。そして実用イタリア語検定と全く違うのは、CILSのリスニングはマークシートではなく、記述式。だから自分で文章を書かなくてはなりませんし、実用イタリア語検定は試験用にイタリア人が録音したものでリスニングが行われますが、CILSでは少なくとも私が受けたときは、実際のラジオ番組を使用していました。
そんなわけで、私に取って一番大変だったのは、記述式のリスニング試験だったことを覚えています。
もう一つ覚えているのは、朝に会場入りして試験を終えて会場を出た時、空は真っ暗になっていました。
休憩時間を含めて6時間半ですものね!
合格発表はシエナ外国人大学のホームページに受験番号を入れてチェックします。
日本でもイタリアのCILSを受験しようかと思っている人がいるだろうと思います。そういう人に私がアドヴァイスできることは3つです。
1つ目は、CILSは自分のイタリア語能力を全体的に底上げしてくれるので、合格を目指して勉強すれば、もし不合格でもあなたのイタリア語能力が確実にアップすると思います。広く網を張り、全体をくまなく勉強しなければ合格できないと思いますし、それがまさしくイタリアで通用するイタリア語能力だと思うからです。
実用イタリア語検定はそういう意味では日本人向けに時間をコンパクトに抑えており、面接も別の日に設定されているのでそれぞれのセクションに集中しやすいと思いますが、イタリア語検定試験には色々と傾向があるので全体的なイタリア語能力の底上げという意味ではCILSの方が優っていると思います。
2つ目のアドヴァイスは、もし可能なら、イタリア人の先生ではない他のイタリア人を見つけて友達になることです。
日本好きのイタリア人でも構いませんが、イタリア語を教える立場ではない人を選ぶことがポイントです。スピードや文法などに配慮せずイタリア語を話してくるでしょうし、あなたの書いたこと、言ったことで分からない時はあからさまに「分からない」と顔に出るでしょう(笑)。
文法的に何が間違ってるのか説明はしてくれませんが、生きたイタリアをを学ぶことができると思います。
3つ目のアドヴァイスは、やはりラジオやニュース番組を見てリスニング練習をすることです。ニュース番組は数分ごとに話題が変わるので、CILSのように時間内に答えないといけない場合に必要な集中力が育つと思います。
また、俳優さんなど「話し方の訓練を受けている人」ではない人々が話すイタリア語を聞く必要があると思います。
例えば、ニュース番組ではアナウンサーの言う事ではなく、ゲストの専門家が話している事や、一般の人が話している事を理解するように気をつけると、リスニング力が育ってくると思いますよ!
大阪や東京に住んでいる方は、実用イタリア語検定に加え、ぜひCILSも受験対象に加えて欲しいと思います。ご自身のイタリア語能力をぐっとあげることができると思いますよ。そしてイタリア発のイタリア語検定でイタリアの風もちょこっと感じることができると思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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