アドリア海の太陽ブログ

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ビジネス通訳というお仕事

      2015/10/16

icatch22

先日のビジネス通訳の依頼者様から訪問先の会社で撮った写真を送って頂きました。

メールで事前にやり取りされていて、イタリアではその最終確認という事でしたが、実際に製造現場を見て回ったり、そこで働く人の姿を実際に見るという目的も果たせたので、とても満足されたようでした。

さて、今回の通訳業務。主に3つの事に関して感じた事があったので書きます。

イタリアはやはり「職人の国」であると言う事。

これはイタリアでビジネス通訳として現場に向かう時、いつも思う事。イタリアでは職人である、と言う事で周りからの絶大な信頼を得ている部分が多く、日本人がその事について理解しがたい瞬間が出てきます。

日本はマニュアルがあり、同じ商品を売るにしても、日本とイタリアでは商品の検品基準にも大きな違いがあります。日本人の方が完璧さを求める傾向があり、少しの擦れや傷にイタリア人が目くじらを立てない部分も、日本ではクレームがついたりします。

イタリアではどうでしょうか。製品の最終的な仕上がりの塩梅(あんばい)は、あくまでも職人の目と手で判断される。日本のようにマニュアルがあるわけでもない。

そのような日本とイタリアの価値観の相違をどうやってイタリア語で説明し理解してもらうか、という事はこのような商談通訳での大部分を占める重要なポイントになりますので、丁寧に説明をします。

ビジネス通訳は、スピードが命。

観光目的ならば、景色を見ながらゆっくり自分の伝えたい事を言ったり、同行して下さる土地の方の通訳を落ち着いてできるのですが、ビジネスではそういう訳にはいきません。

ビジネス目的で来られる方は、会社の代表として来ておられますので真剣です。限られた時間の中で目的を果たす為にたくさんの資料を準備して来られます。矢継ぎ早に質問が飛ぶときもあるので、同時通訳になる時もあります。

単なる企業訪問ではなく、金銭の取引が伴う契約の最終段階という場では、お互いの立場の説明など、ニュアンスに気を付けて通訳する場面と、金銭や納期に関する事など、ハッキリと伝えないといけない場面がありますので、会話のスピードが遅れないように気を付けながら的確に訳していきます。

専門の語彙は増えれば増える程いい。

今回は機械系の通訳でした。機械系は得意分野の一つですが、それはたまたま家にイタリア語での機械専門辞典があるからで、そこで語彙を増やした訳です。日本で一般的に売られている小学館の伊和・和・伊辞典には載っていないような機械系の単語がこの辞書に詰まっています。

例えば今回の製品は、仕上げとしてエポキシ塗料を使った仕上げ(verniciatura epossidica)を施したものでした。日常会話には出てきませんが、このような機械系の製造現場ではよく使われる言葉です。

また、金属やゴムなどの素材から会社を構成する一般的な役職や部署の名前も憶えておくべきです。

まとめ:得意分野は狭く深くが良い。

得意分野をあれもこれも、と広げてしまうと通訳の質が落ちてしまうので「自分はこれ!」というのを3つ位に絞って深めていくのが良いと感じました。

オペラ歌手で言うと、音色の違う役どころを色々挑戦するよりも、一つの役どころに絞って勉強した方がいい、という事でしょうか(←わかりにくい)。

最後に。ともかくイタリア語が好きだ!という気持ちが一番大事なのかも。

 

 - 通訳者のつぶやき

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