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ベルカント講習会の通訳サポート終了しました。

      2015/10/16

イタリア中部で行われた声楽講習会の通訳サポートが無事終了しました。

イタリアと言えば、オペラが生まれ、オペラを歌うためのベルカント唱法が生まれた国です。ベルカント唱法を学ぶ事は、正しいイタリア語の発音を学ぶ事。正しく子音を発音し、母音を発音する事。そのような事を学ぶ講習会でした。

発声を中心に指導する声楽の先生と、オペラに長期間携わっている伴奏ピアニストからの正しいイタリア語の発音という視点からのアプローチ。1週間という短い期間でしたが、参加者の歌手たちがみるみる素晴らしい声になっていくのを、レッスンで通訳しながら目の当りにしました。

日本人の声楽レッスンに通訳として入ると、まずイタリア人達が言うのは、

1.のどを開ける事
2.顎を柔らかくする事
3.ウの発音をもっと深く
4.マスケラ(顔に響かせる事)
5.もっとリーベロ(自由)に!
6.Rの発音(巻き舌)は柔らかく!

などなどいきなりたくさんの事を言われて、固まってしまって歌えない、という人がたくさんいます。日本でもベルカントを教える人が増えてきたように思いますが、中には日本でベルカントのような?発声法を学んできたが、イタリアで一から直された、という歌手もいます。

上に書いたような事は、イタリア人にとってはあまり難しい事ではありません。極端な事を言えば、八百屋のおっちゃんや魚屋の兄ちゃんも、ちょっと歌わせたらベルカントな訳です。そこに体の支えに使う筋肉を鍛えて・・・。と彼らはベルカント唱法から近い場所にいるんです。

日本語という言語は、顎を使わずに話せる言語。響きもあまりありません。日本独自の文化はありますが、ベルカント唱法が育ったイタリアとはまるで正反対です。私達は、その違いを乗り越える努力をしないと、イタリア人歌手と張り合えないんですよね。そういう事をまず自分の中で意識を持つ、という所からイタリア人講師とのレッスンが始まるのだなぁと感じるのでした。

さて、今回は通訳以外に、翻訳・そして歌い手としても参加させて頂きました(上の写真、白っぽいドレスを着ております)。翻訳は、百人一首から6つの和歌のイタリア語訳。忙しかったけれど、この和歌のイタリア語訳が本当に楽しかったのです。

いかに日本語が、一つの言葉だけで無数の情景が浮かんでくる言語かと言う事を再確認しました。シンプルに見える一つの和歌にあるドラマ、その背景を理解しながら、またシンプルなイタリア語に翻訳するというのがとても楽しかったです。

最後に一つだけ和歌を紹介します!どの和歌か分かりますか・・・?教科書にも載っていますよ!

Serena luce solatia di un giorno primaverile…
Perche’ i fiori di ciliegio cadono frettolosi?

答えは、紀友則の「久方の光のどけき春の日に しず心なく花の散るらむ」
でした!

イタリアでの音楽通訳サポートに関しては、こちらをご覧ください!
アドリア海の太陽・音楽通訳サービス

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